CD乱聴メモ

 〜わたくしポニタは単なる“ペルー音楽好き”。評論家でも研究家でもありましぇん。
  その日の体調と気分により、いろんなことを言いまする御免。〜

 いとおしいんです。大好き(ハァト)なんです。(2009.5.10)
MUSICA ANDINA DEL PERU / PARIHUANITA Y AOKI
アヤクーチョへの愛がぎっしりみっしりぎゅうぎゅう詰まった、涙なしには聴けない アルバムです。ボーカルは松崎文音さん、ギターは青木隆八さん。 参加ミュージシャンは、トリオ・アヤクーチョの故AMILCAR GAMARRA、ビオリンに GENY SULCAなど。ペルーにて制作されてますが日本語の曲解説付きで、ひしひしと、胸に迫ります。 演奏も素晴らしいし、歌も素晴らしいです。ビブラート強めのソプラノから、 ふと地声に戻るところなぞ、とっても愛らしくって。 しかも私の大好きな曲が目白押し!本当にたまりません!

 夏の午後になぜか合う、ワイリーアス。(2008.8.5)
HUAYLIAS COSTUMBRISTA DE QUILCATA / CONJUNTO LOS CLASICOS DE QUILCATA
アヤクーチョ南端パウカール・デ・サラサラの楽団。 タイトルがワイリーアのわりにワイリーアは最初の数曲のみですが。 ワイリーアはまったりけだるい真夏の午後になぜかぴったり。 シャンシャンという鈴の音、なめらかなビオリンとアルパに、元気な女の子たちの 甲高い歌がのっかり、牧歌的な田舎の風景が目に浮かびます。 5曲目以降の女性ボーカル(VIRMA ANTAYHUA)は、とってもかわいい声で 歌もうまくて素敵です。演奏は終始とってもきれい。かなりおすすめ盤。
LA ENCANTADORA DE LA HUAYLIA CHUMBIVILCANA / FLOR DE CAPULI
こちらはクスコの田舎のチュンビビルカのグループです。はっきりいって、ジャケ買いです (笑)。なので、アップでどうぞ。[クリック]  女の子の衣装がとてもかわいらしくて(日本の夏には着たくないけど)お人形さん のようですね。そして周囲の怪人のような人たち、祭りの扮装なのでしょうね。かわいいです。 音楽はマンドリンがメインでギター伴奏、田舎っぽい女性ボーカルです。

 カハマルカというところ。(2008.7.21)
NUEVA VIDA / DUO LAS HIRANDERAS DE CAJAMARCA
ドゥオ率が高いカハマルカ。男女ペアも多い。もちろん演奏には相当の人数がいるはず (他所のワイノに比べてパーカッション人口だけでも多いはずだし。)だけど ジャケット写真はボーカリストの2ショットであることが多い。なぜ?と考えてみたら、 ひとりの歌唱力ある歌手が歌い上げるよりも、この土地特有の節回しには、独特な ハーモニーが絡みついてこそより一層味わいが出るからではないかと思います。 だからボーカルはドゥオが基本。(もちろんソロ歌手も可ですが。) さて、この少女ドゥオ、とってもかわいらしいです。伴奏のハーモニカの軽やかさや、 アップテンポで同じメロディをひたすら繰り返す感じが エクアドルとの近さも感じさせます。
CUTERVO
カハマルカもの(どちらかというと土着系)のCDを何枚か聴いてみてください。 これはこういうものなんだ、ということがわかります。 そしてこの、どこか呪術的ですらある不思議な音楽を聴き続けると病み付きに。。。 このふたりは歌って、笛吹いて、を交互に繰り返すのですが、 とりあえず絶対音感をお持ちの方は覚悟して聴いてください。 でもほんと、こういうのをもっと聴いた方がいいんじゃないかと思いますけどね、音大生とかも。

 アヤクーチョのチャランゴとギター・現在進行形。(2008.7.21)
AYACUCHARANGO / FEDERICO TARAZONA
ペルーアンデス音楽のメッカ、多くの巨匠を生んだアヤクーチョでは、今もなお新鋭アーチストが 続々と生まれ育っています。ワイノは日本で言えば演歌か民謡のようなものと言えるかもしれませんが、 多くの若者の心を魅了し今もガンガン進化し続けているという点で、ずいぶん位置づけが 異なるんではないでしょうか。ギターの巨匠ラウル・ガルシア・サラテの名演奏を チャランゴで表現しているこのアルバムは、まさに伝統と革新の融合と言えるでしょう。 いろんな調弦(大きさ)のチャランゴを使用してますが、 一般的なチャランゴよりやや低めのものが落ち着いた印象で非常に心地よいです。
ALMA DE LA GUITARRA / SHIN SASAKUBO
YOU TUBE サーフィンしてみると、ペルー海岸部や欧米等にもアヤクーチョギターに 親しんでいる若い人が多数いることがわかって非常に嬉しい今日この頃です。 24歳ですでにペルーの大手レコード会社IEMPSAから何枚ものCDをリリースしている 日本人の彼は、現地プロ演奏家の中においても際立った存在ではないかと思います。 土着音楽の研究や創作にも意欲的で、けっして巨匠のそっくりさんでは終わらない。今後が ますます楽しみなギタリストです。
上記 FEDERICO TARAZONA もそうですが、マニアな部分も満載なくせに、南米音楽など聴いたこと もないような世界中の誰が聴いても、気持ちよく素直にひとつの音楽として味わえる上質な 音楽に仕上がっています。

 いろんな意味で私の“原点”の音楽みたいな。(2008.5.12)
EL CHARANGO EN LAS MANIFESTACIONES CULTURALES RECONDITAS
ボリビアの土着的チャランゴ演奏と歌が収められた70頁ブックレット付きCD。
弦楽器ひとつのスカスカな音で2コードを延々繰り返し独り言のように歌ってるのなどは、 私が10代の頃(まだインディーズという言葉もなかった頃)によく聴いてたアングラ系の ロックバンドたちに酷似しています(さすがにあの独特なカランペアード奏法はロック界にはなかったですが)。 まあそれは置いといて、土着音楽のCDというと、資料研究的な聴き方をすることも多いかもしれませんが、 これはどっぷりと鑑賞してしまう。というか、かなり細胞の奥まで浸み込む良質な音楽です。至福に ひたってしまうよ。私は。

 CANTO AL PERU !!!(2008.4.4)
CANTO AL PERU / PASTORITA HUARACINA
アンカシュの歌手(←駄洒落ではない)パストリータ・ワラシーナがペルー各地の曲を 歌っています。以前どこかで「各地の曲をまんべんなくやってるグループはあんまり信用できない(笑)」 というような発言をした気がします。それはその通り、やはり地域色に根ざしたものが民謡なので そういう部分は確かにあるんですけど、それ以上に、彼女の歌は上手い!という部分に参ってしまいます。 そしてこのバックバンドは一体・・・!?(セロデパスコの演奏に微笑み)

 求める気持ちと、現状に満足する気持ちとのはざまで。(2006.12.25)
RECUERDOS INOLVIDABLES MAMA PAULINA / CONJUNTO PULLO
このCDに出会えたことを感謝します。アヤクーチョ南部パリナコチャスの小さな村プーヨへ行こうと 思ったら、日本から飛行機を乗り継いで丸1日以上かかって地球の裏側に着いた後、さらにバスで 十数時間、いや、もっと? そんな遠くの村で生まれた音楽家たち。すでにご存命でない1905年生まれの ママ・パウリーナは、言われなければ女性とも気づかないハスキーな声でギターを抱えて歌い 作曲もしているらしい。その時代にしてはかなり稀有な存在ではなかったでしょうか。 はちゃめちゃに陽気な演奏はくじけそうな私の心を明るくしてくれます。

 この上なくあたたかい歌。消えていくものへの愛。(2006.7.27.)
RECORDANDO A MAMA PAULINA / JAIME GUARDIA, ANTONIO HUARCAYA, CARLOS FALCON
故ママ・パウリーナを偲ぶということで、なんともしんみり、かつ、あたたかい気持ち になるアルバムです。ジャケット写真を見てるだけで、ああ〜、という気持ちに なります。歌ってる3人も(そのうちひとりはママ・パウリーナの息子さん!) すでに、おじいさんですから。みんな長生きしていい歌をいっぱい歌って欲しい!と 心から思います。枯れワイルドなガルディアさんの歌や、今にも死にそうな ファルコンさんの声を聴いてると、なんだかいとしさで胸がいっぱいになります。
REMINISCENCIAS / MIGUEL MANSILLA GUEVARA
この人も亡くなってしまったのです。人の寿命はどうすることもできないとはいえ、 早すぎたように思います。合掌。素晴らしいギターと歌。心と愛。涙。 外国の曲もやってますが、やはりアヤクチョものがじつに素晴らしい。 バイオリンもまったりして、なんとも癒される音楽です。 最近は息子さんが大活躍されてるようで、このアルバムでも素晴らしいギタードゥオを 聴かせてくれます。お父ちゃんの渋さに比べるとちょっと甘ったるい感じの息子くんですが、 ギターは抜群に上手いですね。命を、心を、大切に引き継いでいって欲しいと思います。

 解説らしいことは書かないので、(2006.7.27.)
このページは、人の役に立つかどうかわからないページです。 おまけに、ついおちゃらけた文章を書いてしまうので、どんなふうに受け取られているのか不安もあります。 それでもなぜ書くのかというと、私には訴えたいことがあるからです。 高い声をきれいに出せる人が歌の上手い人というわけでもなければ、音程の不安定なのがイコール、ヘタクソだと いうわけでもない。何が良いか、何が好きか、何がやりたいか、はそれぞれ自分で決めること。 いつの時代も、同じ価値観をもった人の存在だけが、私に勇気を与えてくれます。

 大人数楽団が暑苦しく感じるときは、涼しげにこんなのを。(2006.7.27.)
LO MEJOR DEL... / TROVADOR ANDINO
奇妙な笑い声を発したり、口笛吹いたり、、思わず吹き出してしまうほど なんとも愉快なおじさんの弾き語りです。ひょーひょーと弾いてるギターも さりげなく超うまくてかっこいいです。ギターとベースのみというスカスカな音が 絶妙な雰囲気を醸し出していて、聴いてるほうも肩の力が抜けてリラックスしていきます。 TROVADOR(吟遊詩人)というより大道芸人のようなエンターテイナーぶり?

 微妙な楽団による軽快ワイノ。これもけっこう好きなんです。(2006.7.27.)
NOSTALGIA CERRENA / CONJ. QUINTETO CERRENO
フニンとアンカシの間にあるパスコというところの楽団だそうです。 鳴らないギターを力まかせで弾いてるような、びびったようなベース音がかっこいいです。 最近思うに、ボーカル及びビオリンやブラスのような「声的楽器」は、少しひずんでいる くらいがちょうどいいのかもしれません。 どうでもいいけどイントロのパターンは 4種類くらいしかないらしく、エンディングの「決め」の「はずし」かたには 椅子からこけそうなりました。

 一流歌手と一流の楽団による軽快なワイノ。(2006.7.27.)
MIS EXITOS / EMBAJADOR DE QUIQUIJANA CONJUNTO CORIMARCA DE TINTA
ジャケットを見た瞬間、こんなの注文したっけ?と思いました。表、おじさんの顔アップ、 裏も別写真で顔アップ、どこ見てるのやら?な目つきです。中を開けたらわざわざ紙が 三つ折で開くとまたまた顔アップ写真が、今度はカメラに向かって流し目。 3枚とも無表情で笑ってないのがこわい。聴いてみると、確かにこりゃ試聴して注文しないはずがない。 顔からは想像つかない愛嬌たっぷりのハイテンションなボーカル、このギャップは 最高に魅力的です。こんなに陽気な「HELME」(←実話に基づいた悲しい歌です)は 初めて聴きました。びっくり。。。楽団の演奏も、うますぎ!!!
ALBUM DE ORO / LOS MINIPONCHOS DE TALAVERA ANDAHUAYLAS
上記はクスコの人で、こちらはクスコとアヤクチョの間のアプリマクの人です。 古い音源を寄せ集めた感じで音質は悪いが味ある曲集。ミニポンチョスという名前も かわいいですが、私としてはジャケット写真のおじさんの頭が帽子なのかカツラなのか 地毛なのかが気になります。写真の上からマジックで塗ったようにも見えます。 ま、そんなことはいいとして、ハイトーンでよく伸びるボーカルがかなり気持ちいいです。 い〜い声してはります!女性歌手もかわいくて良い声。バイオリンはやっぱりビミョ〜。 そしてギターは上手い、 上手すぎる。聴けば聴くほど奥深く、上手い!(と思うのは私だけ?)

 陽気な踊り音楽の中に、いろいろなものの原型や片鱗が見え隠れする。(2006.6.8.)
EXITOS DE ORO / LOS BOHEMIOS
ワイノが19曲にマリネラが1曲。クスコらしい軽快で陽気な独特のメロディと ハーモニーを、ときにバンドゥリアっぽく、ときにマンドリンっぽく奏でる鉄弦ギターが綺麗に響いて、 泣きの入ったボーカルがケチュア語で(たまにスペイン語のもあり)歌う、クスコのトリオバンド。 間奏のとことかに入ってる、カホンの高音だけみたいなパタパタいってるパーカッションは 何だろう?とずっと思ってたんだけど、映像を見たら、もみあげモジャモジャの ボーカルのおっちゃんがギターのボディ叩きながらタップダンス紛いに踊り狂ってました。 カッコええ。
PEPERMITA HUAYNOS DE ORO / HNOS. ANAYA
これまたクスコらしいワイノ集。演奏とクスコの風景も見られるVCDです。 ジャケット写真は変なヒゲのおじさんひとりだけど、中身は小さいおじさんふたりと大きいおじさん の3人組でギターとマンドリン持ってぴょこぴょこステップ踏みながら歌う姿がなんとも愛らしいです。 たまに大きいおじさんがいなくなって若いお兄さんが出てくるのだけど、誰?息子? だいたい表紙のヒゲおじさんが映像の中の誰なのかもわからず。まあいいけど。 ボリビアマンタ版「サクサイワマン」に似たイントロが何度も出てきます。でも「プクイプクイチャ」 と題された「サクサイワマン」と同曲ではそのイントロ使ってませんのね、はは。

 新しいものを取り入れれば入れるほど野暮ったくなるペルー音楽でしたが・・・(2006.5.1.)
MUSICA Y CANTO POPULAR PERUANO / LOS CHOLOS
チャランゴ中心の少人数編成で、すっきりと、ペルー各地の民謡を聴かせます。 だいたいにおいて各地の曲をまんべんなくやってる人というのは信用できないのですが(笑)、 通常バイオリンとアルパで奏でるはさみ踊りの音楽をチャランゴとギターでやってるのとか、 チャランゴでチュスカダとか、すごく巧いしおもしろいです。 ペルーにも伝統と革新を融合させた新しい音楽が増えてきてるのかなと思いますが、嬉しいことは、 選曲からもアレンジからも、伝統に対する愛が感じられる点です。愛がなくてはダメです。 アヤクチョワイノはもちろんかっこいいのですが、1曲だけやってるリマのバルスも意外といい感じでした。
CHARANGO Y PIANO / WIPHALA
チャランゴとピアノのふたり組で、曲によっていろいろと他の楽器が入ります。 アレンジのおもしろさと遊び心が光ります。 ペルー各地の有名曲の他、ボリビア、エクアドルの曲、オリジナル曲、アタワルパユパンキも やっています。私としてはやはり聴きなれたペルーの古い曲をどんなふうに演奏するのかに興味津々でした。 プーノの名曲「湖の町」やクスコの舞踊音楽「サフラ」など、明るく軽快な演奏でとても楽しめました。

 この季節に窓を開けて聴くと、効く。(2006.4.24.)
LO MEJOR DE / LOS BRILLANTES DE PARINACOCHAS
どうでもいいことですが、このところ落ち込んでました。被害妄想といわれればそれまでですが、 あきらかに「嫌われ光線」を感じているからです。戦いが嫌いなのでじっとしているのですが、 怒ったほうがいいのでしょうか?と悩むうちに疲れてしまいました。長すぎた冬がようやく 立ち去ってくれて、大掃除などしてこの音楽を聴いていると、すーっと力が抜けて幸せな気分に なり、泣きたくなりました。元気満々のときに聴いたらどんな気分になるのかは今の私には わかりません。きれいな小川の水みたいに透明に流れるバイオリン、きらきらと水しぶきの ような鉄弦アルパ、深いアルパの低音、歌は聴きなれたアヤクチョ民謡。 今の私には癒し効果抜群でありました。このCDが町のCD屋さんのヒーリング・コーナーに 並ぶことは無いでしょうけれど。
 この季節に窓を開けて聴くと、効く。その2(2006.5.1.)
SUS MEJORES EXITOS / LOS CCALACHAQUIS de QUILCATA
上記ブリジャンテスと地理的にも近くの人たちで、楽器も似た編成です。心地よいアルパと バイオリンが主で、ときどき歌が入ったりで、とても民謡らしい民謡ばかりやってます。 ブリジャンテスと違うのは、こちらは鉄弦ではなくナイロン弦のアルパで、バイオリンの音も ギシギシ系でなんとなく東洋っぽくすら聴こえて、全体的に野太い感じ。 チュンビビルカでいうと(なんでやねん)LOS ELEGANTES QORILAZOS と TRIO KOLQUEMARCA DE CHUMBIVIRCAS の違いみたいな感じ。似たことやってるけど、野太いのと綺麗なのって感じ。どっちが好きかというと、 チュンビビルカのは野太い KOLQUEMARCA が断然好きで、今回のアルパ対決は繊細な BRILLANTES が好き。 一概には言えないのだ。

 チャランゴの巨匠、嬉しい新譜、ギターも最高!(2006.4.23)
DE AYER, HOY Y SIEMPRE / JAIME GUARDIA
ハイメ・ガルディアは日本でもそこそこ有名ではないかと思います。ソロとバンド時代のCDが 日本語解説付きで町のCD屋さんで買えるという理由で。私たちは選ぶ余地もなくペルーの チャランギスタといえばハイメ、と思ってしまうのでした。私としてはハイメのソロCDよりも リラ・パウシーナの方が断然好きでした。ソロCDは、何が悲しかったって、 ギターの音が消してあったことでした。チャランゴという楽器は、独奏よりもギターと からんだときに何十倍もその力を発揮する気がします。
今、70歳を超えたハイメさんのまさかの新譜が届いてびっくり。なるほど確かに、 上手いチャランギスタはいっぱいいるけど、このタッチは真似できない感じ。 すっかりハスキーな声もいい味出てます。心配していたギターの音も、この新譜では ばっちり入っていてそれが物凄く上手い。じつは私、歌やチャランゴの伴奏をしてるときの アヤクチョギターが一番好きなんです。こんなふうに弾きたいものです。で、こういう シンプルな編成の音源はギタリストにとっても絶好の教科書です。

 番外編。CD付き書籍の紹介です。(2006.3.18)
国際理解に役立つ世界の民族音楽(6)南・北アメリカの音楽/ 千葉泉著、こどもくらぶ編
小学校高学年向けの学習絵本です。が、大人が読んでも十分おもしろい、というよりむしろ専門書 といってもいいような?本です。南北アメリカ(主に南米)の様々な楽器やそのリズムが、 各地域の歴史や文化にも軽く触れつつ、写真と音で紹介されています。シークやカホンの作り方も 載ってます。楽譜にはカタカナでスペイン語の歌詞と訳詞も載っていて、付録CDにはチリの25弦 ギタロンの演奏など一部非常にマニアックなものも入っていて思わずにんまりしてしまいます。 大阪外国語大学助教授の千葉先生の弾き語りがいい感じ。ただまあ、小学生に 『一般的なギターとチリの伝統的なギターの調弦の違い』を教えてどうなるというのか?と 思わないでもないのですが(笑)。 ポプラ社

 ジャンルを超えた極上の音楽。至福の時間。(2006.3.13)
IDENTIDAD YNKA / DANIEL KIRWAYO
この人のギターは聴くべきだと思いました。クラシックギターを弾く人はもちろん、ペルーの ギタリストはラウル・ガルシア・サラテしかいないと思っている人も聴かねばなりません。 って、こんな余計なおせっかいを言うのは嫌いだけど、これだけは言っておきたい気がするのです。 もっともっと世界中に知られてしかるべきギタリストだと思うからです。
じゅうぶんにリラックスした状態でゆっくり聴きたいです。水門を開いておけば すうっと流れ込んで、心の深い深いところにある天国のようなところまで連れて行ってくれる 舟みたいな感じ。

 これは、ヤバい。最高にいい雰囲気! (2006.3.8)
LA HUARACINITA / CONJ.RONDALLA ANCASHINA
アンカシってところには、とっても陽気で威勢が良くて楽しい音楽がありまして。 なかでも私のお気に入りがこれです。前にも書いた(2005.7.26)PASTRITA HUARACINA などはもう文句なしに歌も上手いしバンドの演奏も超一級なんですが、こちらは少々やばめ。だけど ボーカルもかわいい声だしギターも上手くて私は好きです。し、しかし、6曲目のバイオリン、 最後のほう、か〜なりヤバい!
COFRE DE ORO LLENO DE JOYAS MUSICALES / GORRION ANDINO Y LOS JILGUEROS DEL HUALCAN
これもアンカシのバンドです。録音がヤバイ。CDですがアナログ盤の音そのまま録音した感じで ノイズ入りまくり。まあ音質の良さと音楽の良さは一致しないので気にせずに。というか よく見たら「1950-1960」って!こりゃ仕方ありませんな、了解です。 しかし演奏と歌は素晴らしい。田舎の風景をバックにギターやアルパや バイオリンをのどかに演奏しまくるおじさんたちの姿が目に浮かびます。 10曲目でレコードの溝が壊れます。(?)

 この声が好き。 (2006.2.3)
CANTO AL AMOR / LUCERO DEL ALBA
しっとりしたアヤクチョのワイノはかなり演歌っぽいです。お風呂の中や、ちょび髭つけて 自転車乗りながら鼻で歌いたくなるような…。伴奏はギター3本。じつはこのギターが良くて イントロや間奏にも聴き入ってしまう。日本の演歌もこんな伴奏だったらもっといいのかもねえ。 そいでもって、彼女の声が好き。適度に甘く、透明感があって。好きな曲チョイスで、 何度も聴いてしまう好アルバム。
CHARANGO AND SONGS / JULIO BENAVENTE DIAS
ペルー、クスコを代表するチャランギスタではないかと思います。が、この声が好き。 写真を見るといかついオッチャンなのに、この人の弾くチャランゴはとっても綺麗で 繊細な音色。ほんとにこのオッチャンが弾いてるの?って思うくらい。 で、歌はあんまり上手くもないし、声もボサっとした感じ。でも鉄弦チャランゴの つややかな音と対照的なその声のミスマッチがたまらなく良い感じ。

 これは、どうなんだか、、、。 (2006.1.20)
HUK SUNQULLA APUKUNAMANTA / LOS APUS
かっこいいんですけどね。ギターもとっても上手いし。洗練されたギターっていうか、 結構いいギター使ってますか?っていうか、若いし、イケメンふうだし、ペルーワイノの CDには有るまじきって程。でもなあ、なんだろうなあ、聴きようによっては「今風」なんだけどなあ、 所詮ワイノだしケチュア語だったりもするし。。私としてはリズムギターのチャスキート が強すぎることを除けばかなり好きで、もう一枚も買っちゃったし(これがまた良い!) また出たら買いそう。(笑)
MUSIC FROM THE LAND OF MACCHU PICCHU(オムニバス)
アメリカ盤のようです。中古屋で買いました。なんだかライブハウスでこっそり録音したり、 その辺の人に「ちょっと弾いてみて」と言ってお手軽に録音してきたみたいなCDです。 いくらなんでもこれと並べるなよ!って、上記 LOS APUS のお兄ちゃんも怒りそうな。 でもなかなかいい演奏があるんすわ、これが。Jorge Velazquez という人のギターと バイオリン、凄すぎ! 他にも腰からくだける「ある意味凄い」演奏満載。いや、並べてゴメン、APUS。

 この演奏がカッコイイと思うんですけど? (2005.9.23)
MOUNTAIN MUSIC OF PERU, Volume1
このCDの1曲目!聴いたってえな!マンドリンソロから始まって、しゃがれたケーナの なんとカックイイこと!ギターもたまらんリズム。これ聴かなあきまへんで、ほんま!
4曲目のチャランゴもいいです。なんとも味わい深い。
FIESTAS OF PERU
外国人によるペルー現地採録CD。このCDは全部いい演奏ばかり。 特に1曲目「アクチマイの行進曲」のマンドリンがめちゃいい味、ギターも渋い!  2曲目ケーナ二重奏もいいけど、5曲目「かわいいオウム」は上記 “MOUNTAIN MUSIC OF PERU, Volume1”の4曲目と同じ曲ですが(チャランゴは上記のほうが好き)、 不協ギターがすごく気持ちいいですね。 7曲目「コルカの謝肉祭」は、公共広告機構のCFに使われていた曲ですが、「演奏」が ぜんぜん違いますね。
MUSICA Y CANTOS DEL PERU
これもペルー現地採録CD。この中には好きな曲がいっぱいあるのですが、ここに収録されている 「さらば、アヤクーチョの村」は、いろんな録音がある中でいちばん好きかもしれません。 やっぱりハイメ・ガルディアのオッサンくさい歌とか好きです。ダブル・ギターも たまりませんね。

 夏バテを吹き飛ばす、元気が出るワイノ! (2005.7.26)
CUANDO VOLVERA / LOS ENGREIDOS SAN MATEO
軽やかなギター、マンドリン、アコーデオンにのって女の子が歌います。 まあ、なんの変哲も無いワイノなんですが、めちゃ明るく楽しくいい感じ!  リーダーでもあるアコーディオンの人が、実際すっごいエンターティナーで、 ライブのときなどとてもおもしろいらしい。 チープなものが好きな私としては、こういう片田舎の力の抜けた庶民派バンドが、 大層な観光祭り音楽よりずっとお気に入りです。
PASTRITA HUARACINA
ボーカルのねえさんがめっちゃワイルドで、かっちょいいのです。ギターも超カッコイイです。 『ソルサリート』って曲で、わざとなのか間違えたのかわからんけど、間奏が終わりきらない 妙なところから2番を歌い出すんだけど、ギター(ベース)の人は何食わぬ感じで なめらかにつなげていて、おおっ?と、かっこイイぢゃありませんか!  ロック好きにも聴いて欲しい、真似して欲しい、このスカッとする気持ちよさ!!!

 民族音楽を“レコード”だけで語るのは・・・ (2005.7.22)
たとえば、大自然の美しさを“写真”のみで語ることに似ている。
素直に現実を写し取った写真もあるし、それ以下のものもある。けれど、たいていの芸術写真は ある意味ホンモノ以上に美しいのが常で、撮影者の思想や人生や、魂そのものが感じられたり、 いろんなことを訴えかけてくる。それは対象物そのものとは、また違う次元の存在なのかも しれない。だから、それはそれ、これはこれ。山に登るのが好きな人、山の写真を撮るのが 好きな人、山を眺めるのが好きな人、山の写真を眺めるのが好きな人、、、 好きな対象は共通してても、必ずしも同じものを見ているわけではない。

 蒸し暑い日に、さわやか声のまったりワイノはいかがでしょ? (2005.7.14)
PUNO / "ROSENDO HUIRSE" CON LAS HERMANAS ECHARRI
アンデス人特有のねっとり声ではなく、あっさりきれいな声なので、アンデス民謡に馴れてない 人でも聴きやすいんじゃないでしょうか。けれど曲はコテコテにトラディショナル なものばかりで、こってりまったりいい感じ。ティティカカ湖の町プーノの、透明感あふれる 美しいメロディー、独特のベースラインなど、アンデス好きな人以外も是非いっぺん聴いてみて! って思いますし。
DUO HERMANAS ASCARZA
同じく、わりと聴きやすいと思うんですが、どうでしょうか。アヤクチョの人にしては きばらない歌い方だし、都会的なケーナやサンポがちょろっと入っていたり、 アルパやギターもオシャレで洗練されてるし。但しこちらも選曲はこってりとアヤクチョの 名曲集って感じです。プーノとはまた別の文化圏ですが、これまた独特な節回し、 ケチュア語の歌が楽しめます。

 ペルーのチャランゴといえば・・・ (2005.6.16)
LO MEJOR DE HERMANOS ALVARADO
最近もっぱらお気に入りのチャランゴ・バンド、アルバラード兄弟。でもじつはこの グループのギター(ベース)が好きだったりする。って、今日はチャランゴを紹介しようという 意図なのに、いきなり自分でぶち壊してどうする…!?
いや、しかし、ギター2台&チャランゴ1台のトリオバンドが多い中、このグループは 複数のチャランゴと複数のギターが絡み合うというたまらん演奏をする。 オリジナル曲はどれも明るく爽やかで、男女のボーカルが掛け合いの曲なんて楽しそうでいいなあ。 んで、彼らに関する情報を求めて、「ALVARADO」で検索すると、出るわ出るわ、 「アニータ・アルバラード」に関する記事が!覚えてますか?日本を騒がせたチリ人 「アニータさん」。どうでもいいやっ。
MI AYACUCHO(オムニバス)
このオムニバスCDは、アヤクチョ歌謡ベスト盤みたいな感じで、どの曲もかなり良いです。 ペルーのチャランゴ弾きをハイメ・ガルディア(リラ・パウシーナ)しか知らなかった頃に、 このCDに収録されているコンフント・プヨ・イ・ママ・パウリーナ、ロス・スレーニョス、 エルマノス・アルバラード等のチャランゴ・バンドを聴いて衝撃的でした。
特に、1曲目に収録されているコンフント・プヨ・イ・ママ・パウリーナのチャランゴが ベケベケとかっこいくてインパクトがありました。 歌もリラ・パウシーナばりにオッサンくさくていい感じだし、彼らのソロCDはないのかな? チャランギスタは誰?…とか思いつつ次の曲を聴いてたら、 MCで「CON HERMANOS ALVARADO!」って言ってました。ありっ? チャランゴを弾いてるのはアルバラード家の人なのかな?みんなご近所さんのようだし。
↓ペルーのチャランゴ、いっぺん聴いてみてちょ〜!↓
  http://www.amigosdevilla.it/musica/musica_istrumentos.htm

 上質なファンタジー映画のような・・・ (2005.5.19.)
ERMANO REGIDENTE / TRENCITO DE LOS ANDES
イタリアのグループですが、このCDはとてつもなくペルー音楽っぽいです。
異国人でありながらペルーの音楽を見つめているという観点において、むしろペルー人 以上に自分との近さを感じます。彼らの手法は、ペルー人の演奏するペルー音楽を そのままコピーするのではなく(全曲オリジナルでもあり)、“有りそうで実際には無い ペルー音楽”というか、無さそうで有りそうな摩訶不思議な世界を創り上げることに 成功しているのではないかという気がします。巧いです。

 なんでこれが もっと日本で流行らないのか!? (2005.4.25)
BANDURRIAS DE CANCHIS / CONJ.SANTA BARBARA DE CUCUANI
クスコとプーノの中間にある町シクアニの、不思議な感じの音楽です。 これこそがペルー音楽の真髄だぁー!(←あまり真に受けないでクダサイ!)
昔、親愛なる友人に古いカセットテープで聴かせてもらったとき、 ずっと探していたものに出会えたという気持ちでした。これが異性であれば、ビビッときて結婚を 申し込みそうな。「しかしこのテープ、音質がひどく 劣化してるなー」と思ってたんだけど、最近CDを買ったら、CDでもそんなような音でした。 音質が変なのではなく(多少は変だけど)、演奏がそういう演奏なのでした。 じつはCDの高音質で聴いたら少なからず幻滅するんじゃないかと怖れてたので、逆に嬉しかった。
CONJ.AMANECER ANDINO DE CHUYAS POMABAMBA
小さな横笛と鉄弦アルパ、バイオリンのトリオです。突然演奏が途切れて、2秒後くらいにプッと 続きの音が出るので、「不良CDだよ〜」とCD屋さんに文句を言ったのですが、よく聴いたら・・・ おそらくノンストップで次々と曲を演奏しているのを、むりやり曲ごとに分割してるんですね。 そんなことしなくてもいいのに。 (^^; さらに、裏ジャケットに記載の曲名にふってある番号が、 「1、2、3、4、5、6、7、8、9、0、1、2、3、4・・・」ってのもよくわからん。 「ああ、その曲ならこのCDの0曲目ですよ。」なんて会話するのか?
ま、そんなことはどうでもよくて、音楽はいつまでも終わらないでほしい気持ち良さ。
JATUN CAYAMBE(オムニバス)
ペルーの北にある国エクアドルの音楽です。 こんなかっこいい音楽があるのに、「フォルクローレ」の名の下に埋もれている感じがして、 もったいなく感じます。フォルクローレ嫌いな人もぜひ聴いてみて下さい。 人間嫌いな人でも聴けます。

 まずは最初ということで、万人にお勧めできる永遠の名盤のご紹介。 (2005.4.11.)
PUNO / CUERDAS DEL LAGO
プーノといえば海抜3600mの町で、琵琶湖の12倍の巨大な湖、ティティカカ湖があって、 そりゃもう空は宇宙に近い濃ぃい青で、空気は清浄、強い陽射しは濃い影を落とし、 空を映す湖の水もとことん青く青く・・・。そんな風景が目に浮かぶような音楽。 南米とか民族音楽とか関係なしに、世界中の音楽ファンに聴いて欲しい1枚って気がします。 好き勝手に弾いているかのようなベースラインが音色もビンビンで非常にかっこよろしくて、好きです。
PURO PERU / RAMOND TEVENOT
ペルーではわりと少ない、ケーナがメインのCD。ペルーの北から南、いろんな地方の音楽を ケーナで聴かせてくれ、伴奏陣もいい感じ。「ペルーの音楽は好きだけど、マンドリンもアルパも アコーデオンも弾けないし、おいらケーナしか吹けないし。祭り系のケーナはピョロピョロしてて 何吹いてんのかよくわかんないし・・・」とお困りの諸兄に捧げます。

CDの入手先はほとんど 「まちゅぴちゅ」さんかも。



ポニタの押し入れに戻る
トップページへ