4月2日(金)
23時55分発の夜行バスで東京へ向かう。奮発して、背もたれが充分リクライニングできる上等のバス
(それでも新幹線の半額だし)を予約したのに、私の後ろの席の人が足元に荷物を置いてるらしく、
半分しかシートを倒せない。「シートの倒れないバスだったら、これのさらに半額であったんだよ〜」
と怒りがこみ上げるのをぐっと堪えて、寝ようとする。が、1時間もしないうちに背中が痛くなる。
うぐぐぐぐ〜。でも考えてみたらペルーでは13時間も普通のバスで快適に爆睡してたよなあ。。。
なんでたった1時間で背中が痛くなる? つまり、背中が痛いのは気のせいだ。と思おうとした。。。
が、痛い。むちゃくちゃ痛い。なんでだ? 冷静に考えてみると、背中ではなくお腹が痛いとわかって
きた。左脇腹の奥、胃と背中の間らへんがググ〜ッと痛い。痛みの種類は、今までの経験から言うと、
結石のときののたうちまわる激痛の“前触れ”にいちばん似ている。やばいんでないか? 頭痛薬を
飲んでみたが、効かない。。。バスよ、このまま病院に行ってくれても苦しゅうないぞ〜、と思いつつ、
横向きになって丸まっていたら楽になってきた。痛み止めが効いてきたのか、この姿勢が良かったのか、
理由はわからない。とにかくやっと眠れる〜と、ほっとしたら、ほどなくバスは終点に到着。

4月3日(土)
東京での3日間は、MちゃんとBさん(←暫定的呼び名)のお宅にホームステイさせていただきました。
とっても素敵なおうち&素敵なおふたりでした。(詳細はプライバシーに関わるので適当に省略。)
朝ごはんは、Mちゃん手製のアヤクーチョ名物“モンドンゴ”(モツ入りのあっさりした塩味スープ)。
長距離バスでヘロヘロになりつつペルー料理を食べると、すっかりペルーに来てると錯覚してしまう。
窓を開けたら中庭に花がいっぱい咲いてる感じも、なんだか懐かしい。。。
じつはおふたりとはこのたび初対面でした。。。けどMちゃんとはいつもお馬鹿メールをやりとりして
いて、家族の次くらいに信頼できる人なので、何のためらいもなく「来ちゃった〜、ウフッ」と言って
丸3日間も居候。。。普段の私はとっても人見知りするほうなのだけど。。。
Bさんもあっというまに打ち解けて本物の兄のよう。いや、私の方が年上だけど、なんとはなしに
ちょびっとだけ私の実兄に雰囲気が似ていて、とぼけてるけど頼りになる兄貴ふうなのだった。。。

夜もアヤクーチョ料理、“プカ・ピカンテ(=赤くて辛い)”を頂く。その名の通り、真っ赤な煮込み。
だけど名前と裏腹にピカくはない。まろやかでまったりとしてなんとも不思議なおいしさ!!!
マリネラ・ダンサーのさきもりさんとその旦那さまでケニスタのLLAMAちゃんも参加で、夜遅くまで宴会。
さきもりさんは、写真で見たマリネラの踊りの衣装姿があまりに可憐だったので、私のようなアホっぽい
“関西のおばちゃん”は受け付けてもらえないんとちゃうやろか?と思ったんだけど、とてもいい人で
優しくて、ちょっと変で(笑)、マリネラに対する情熱とその行動力がかっこいい素敵な女性でした。
LLAMAちゃんも、冗談で「ちゃん付け」で呼んだりしてますが(笑)、昔から尊敬する先輩であり、
いつかきっと一緒に遊びましょうね〜とずっと言っていたので、こうしてお会いできて、嬉しかった。
おいしいピスコを飲んだけど、もはや脳内麻薬が出すぎてて酔ってるんだかなんだかよくわからない。
とても幸せな気分で、驚愕のドラマ『Helme』のDVDを見たりなどする。だあああ〜、凄ぉい。。。。。

←プカピカンテ(チチャロン入り)

 トマトやとうがらしの赤ではなく、イチゴジャムのような赤。

 しかし写真だとなんだかふつうのカレーライスのようだ。。。

4月4日(日)
この日は、要町のプラサホールというところで、“ドゥオ・パリワニータ”のコンサートがありました。
ゲストでさきもりさんとペルー人のジョニーさんが二人で踊る“フロール・ノルテーニャ”も出演でした。
小さなホールでしたが、お客さんはぎっしり満杯。コンサートは二部構成で、第一部はプーノ、アレキパ、
ワンカヨ、リマなどペルー各地の歌とギター、最後にフロール・ノルテーニャがCDをバックにノルテの
マリネラを1曲踊って終了。(このCDの音出し係を仰せつかった私はちょいと誇らしげ。笑)
第二部はアヤクーチョづくし。といっても、Bさんのギターソロや弾き語り、七色ボイスのMちゃんの歌、
ふたりでハモる曲など、いろんな形でいろんな曲をやって、最後はアヤクーチョの衣装に着替えたフロール・
ノルテーニャが再登場で、アヤクーチョのマリネラとワイノ。Mちゃんもステージから降りてお客さんを
巻き込んで輪になって踊って、、、アヤクーチョって何?って感じの初めて来た一般のお客さんでも
じゅうぶん楽しめたことと思います。


あっという間にコンサートが終わり、そのままそのホールを借りて打ち上げ開始。準備のときには邪魔に
思った大きな丸テーブルが出番となりました(笑)。。。中華総菜を買い込んできていただき差し入れの
ワインやらで豪勢に、しかも演奏し放題、踊り放題の素晴らしい打ち上げでした。楽しかった〜。
私も酔った勢いで歌ったり踊ったりしてましたが、そのときすでにワインを手酌でグイグイ状態だった
ので、何が何やらさっぱりわかりません。あああ失礼いたしました。。。

不思議なことに、高速バスで8時間かけて遠く離れた街にやってきたというのに、打ち上げのメンバーは
ほぼ全員が知ってる方でした。いやはや皆さん、たのしいひとときを本当にありがとうございました〜。
なんといっても、今回のこの東京留学(?)が実現できたのは、“宿泊付き招待券”を送って下さった
ドゥオ・パリワニータのミカちゃんとベンキィさん(←暫定的呼び名)のおふたりのおかげでした。
おふたりは間もなくまたペルーへと旅立って行かれます。パリワニータは渡り鳥なのですね。。。


4月5日(月)
東京滞在3日目。連チャンの宴会でさすがに頭がもんやりしていて、1日まったりと過ごす。。。
夕方、街へ出ておみやげを買い、お茶を飲みつつ、22時発のバスを待つ。。。
それにしても、Mちゃん、Bさん、さきもりさんの三人には本当にお世話になりっぱなしというか、
甘えっぱなしというか、まるで小さな子供のように、愛情をいっぱい受け、かわいがっていただき、
幸せな3日間でした。。。しみじみ、東京に来て良かったと思った。。。
自分の小ささをひしひしと感じながら、それが卑下ではなく自信に変わっていくという不思議。。。
なぜだか、明日から強く生きていけるぞ、という思いがわいたのでした。。。感謝感謝感謝。。。

バスに乗り込んだら途端に暖房の暑さで気分が悪くなり、動き出す前に滝のような汗をかく。
トイレで吐いたらすっきりして、行きのようにお腹が痛くなることもなく。だけど興奮が冷めなくて
やはりあまり眠れなかった。。。朝6時、京都到着。ひんやり肌寒い、ひと気のない早朝の大通り、、
さわやかな朝帰りはちょびっと不良だった高校生の頃を思い出させる。。。

 私の留守中、マルビのメンバーに「今日食べた物」を報告したり、
 「楽しい独身生活♪」 なんてメールを送っていたミゲルは、
 がーがーといびきをかいて笑顔で寝ている。

 ベランダではフリージアが満開。 自然にしなだれる花が、
 まるで アレンジフラワーのよう?

体力的にはヘロヘロだけど、楽しかった日々の余韻にひたる。。。

なんでしょうか、、、このところ失っていたもの、、、この数年間ずっと求めていたもの、、、
本来私が持っていたはずのものを、取り戻せた気になった旅でした。。。